第4話
中古パソコンのセール告知バナー、AIに案を出してもらってみた
中古パソコンのセール告知、バナーづくりが順番待ちでした
前回は、よくある問い合わせへの回答のひな形をAIに作ってもらいました。1話から3話まではメール・エラーメッセージ・問い合わせの返信と、文章まわりの困りごとが続きました。第0話で洗い出した9つの困りごとのうち、4つ目に選んだのは「告知・バナー画像づくり」です。今回は文章ではなく、画像が題材です。
中古パソコン屋の「告知バナー」が詰まりやすい理由
PC WRAPでは、月末のセールや新商品の入荷、メールマガジンなど、お知らせのたびにバナー画像を用意しています。中古パソコンは在庫が日々入れ替わるため、告知したい内容も次々に出てきます。
ところが、バナーを作れる人は社内でも限られています。告知したい内容は決まっているのに、デザインを担当する人の手が空くまで待つことになり、「セールが始まるのに、バナーがまだできていない」ということも起きていました。
順番待ちの原因を振り返ってみると、時間がかかっていたのは仕上げの作業よりも、その手前の「どんなキャッチコピーにするか」「どこに何を置くか」「何色でまとめるか」を考える部分でした。白紙から考え始めるので、作る人の負担が大きかったのです。
AIに「案出し」を任せて、仕上げは人が行う
そこで、バナーの案出しの部分をAIに手伝ってもらうことにしました。画像そのものをAIに描かせるのではなく、キャッチコピー・レイアウト・配色の案を文章で出してもらい、仕上げは人が画像ソフトで行うという分担です。たとえば月末セールのバナーなら、次のように頼みました。
「中古パソコンの通販ショップで、月末のセールを告知するバナー画像を作ります。トップページに横長で載せる予定です。伝えたいことは、セールの期間、対象商品が値下げになっていること、3年保証が付いていることの3つです。キャッチコピーを5案、それぞれに合うレイアウト(文字と画像の配置)と配色を提案してください。」
返ってきた案は、「セール期間を一番大きく見せる案」「値下げ額を目立たせる案」「3年保証の安心感を前に出す案」など、方向性がはっきり分かれていました。配色も「赤と黄色で特売感を出す」「紺と白で落ち着いた印象にする」のように、ねらいとセットで提案してくれます。白紙から考える代わりに、並んだ案を見比べて「今回はこれでいこう」と選ぶところから始められるようになりました。
選んだ案をもとに、仕上げは人が画像ソフトで行います。案が決まっていれば、デザインを担当する人以外でもラフを用意しておけるので、担当者は文字の大きさや全体のバランスを整えることに集中できます。
やってみて感じた、バナーの案出しをAIに頼むときのコツは3つです。
- 「どこに載せるか(サイズ・形)」と「伝えたいこと」を先に渡す
- 案は1つではなく、方向性の違うものを複数出してもらう
- 画像の中の文字は人が入れて、誤字や数字の間違いがないか確認する
3つ目は特に気をつけています。AIに画像そのものを作ってもらうと、日本語の文字が崩れたり、ありもしない言葉が入ったりすることがあります。セールの期間や値段を間違えて告知するわけにはいかないので、文字はAIに描かせず、人が入れて確認するようにしています。
なお、PC WRAPのセールやお得な情報は、メールマガジンやLINE公式アカウントでもお知らせしています。
案出しをAIに任せたら、告知の準備が早くなった
この分担にしてから、バナーづくりは「白紙から考える作業」から「AIの案を選んで仕上げる作業」に変わりました。デザインを担当する人に頼むときも、方向性の決まった案を渡せるので、やり取りが少なく済みます。
一方で、AIの案をそのまま使えばよい、というわけでもありません。当店らしさや、そのとき売りたい商品の雰囲気までは、AIには分かりません。最終的にどの案にするか、どこを直すかは人が決めています。
……と、ここまではうまくいったのですが、AIに案を出してもらえることを知らないまま、バナーづくりを始めてしまった仲間が、社内に一匹いたようです。
「全部、自分で考えるぞ」と張り切ったPCラッコ
セールの告知を任されたPCラッコは、「いいバナーにするぞ!」とやる気十分。ところが、AIに案を出してもらうことは考えもせず、キャッチコピーも配色も、ひとつずつ自分の手で作り始めてしまいました。
結果は、上の4コマの通りです。色を変えては作り直し、言葉を変えてはまた作り直し。気づけば何十枚もの試作が並び、外は明るくなっていました。そこへ届いたのが、AIに頼めば方向性の違う案がすぐに並ぶ、という話。努力は無駄ではありませんが、案出しまで全部ひとりで抱え込む必要はなかった、という教訓を得た一件でした。
この記事(と4コマ)自体、実はAIを徹底活用して作っています
種明かしをしておくと、この連載記事と4コマ漫画は、企画・ネタ集め・執筆から4コマのキャラクター画像の加工まで、AI活用を検証しながら制作しています。しかもこの企画自体、実際にPC WRAPで販売している中古パソコンの実機を使って進めています。つまり「中古パソコンでどこまでAI活用を突き詰められるか」を、この連載そのものが実証しているわけです。
使用PCのスペック
- CPU:Core i5(第8世代)
- メモリ:8GB
- グラフィック:Intel Graphics(オンボード)
「中古パソコンでもAIって使えるの?」という疑問について
「AIを使うなら高性能な新品パソコンが必要では?」と思う方も多いかもしれません。ですが、ChatGPTやGeminiのような生成AIツールの多くはインターネット上(クラウド)で処理される仕組みのため、パソコン本体の性能への依存は大きくありません。ブラウザが動き、通信環境が安定していれば、中古パソコンでも問題なく使えるケースがほとんどです。詳しくはPC WRAPの初心者向けガイドでも紹介しています。
次回予告
次回も、9つの困りごとのうち別の1つに取り組みます。文章、画像と試してきましたが、社内の困りごとはまだ残っています。
今回のバナーで告知していたようなセールの対象商品は、PC WRAPのセールページでご覧いただけます。お目当ての中古パソコンが値下げになっていないか、のぞいてみてください。
それでは、また次回の「中古パソコンショップが本気でAI活用に取り組んでみた」でお会いしましょう。
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