第2話
中古パソコンの謎のエラーメッセージ、AIに意味を聞いてみた
中古パソコン屋の日常は、エラーとの付き合いから
前回は、お客様への断りメールをAIに下書きしてもらいました。第0話で洗い出した9つの困りごとのうち、2つ目に選んだのは「エラーメッセージの意味調べ」です。中古パソコンを毎日のように扱っていると、エラーとの付き合いは避けて通れません。今回は、この地味に時間を取られる作業にAIがどこまで役立つかを試してみました。
中古パソコンのエラー、調べるだけで一苦労
中古パソコンは、入荷してから商品としてお届けするまでに、動作確認やOSのセットアップ、アップデートといった作業を一台ずつ行います。その途中で、見慣れないエラーメッセージに出くわすことがあります。
たとえばWindows Updateの途中で「0x80070002」のような英数字のコードだけが表示されて止まる、というケース。メッセージ自体は短いのですが、これだけでは何が起きているのかさっぱり分かりません。これまでは、エラーコードを検索窓に打ち込み、検索結果のページを何件もはしごしながら、「これは自分の状況に当てはまるのか?」と読み比べていました。似たようなコードでも原因がまったく違うことがあり、正解にたどり着くまでに時間がかかるのが悩みでした。
AIへの聞き方を工夫してみる
今回は、生成AIに次のように聞いてみました。
「Windows 11の中古パソコンで、Windows Updateを実行したところ『0x80070002』というエラーが出て止まりました。直前にOSの初期セットアップをしたばかりです。考えられる原因を可能性の高い順に挙げ、パソコンに詳しくない人でもできる確認手順から順番に教えてください。」
返ってきた答えは、エラーコードの一般的な意味(必要なファイルが見つからない、といった種類のエラーであること)の説明から始まり、考えられる原因の候補がいくつか整理されていました。そのうえで、「まずはパソコンを再起動してもう一度実行する」「Windows Updateのトラブルシューティングツールを使う」といった手軽な確認から、少し手間のかかる対処までが順番に並んでいました。検索結果を1件ずつ読み比べていたときと比べて、「次に何を試せばよいか」がすぐに分かるのが大きな違いでした。
やってみて感じた、エラーの意味調べでAIに聞くときのコツは3つです。
- エラーメッセージは自分で要約せず、コードや文言をそのまま正確に渡す
- OSのバージョン、機種、直前に何をしていたかなど、状況をひと言添える
- 「可能性の高い順に」「簡単な確認から順に」と、答えの並べ方を指定する
特に1つ目が重要で、エラーコードの数字が1文字違うだけで、まったく別のエラーの説明が返ってきてしまいます。そこで役立つのが、エラー画面をそのまま渡す方法です。Windowsでは「Windowsキー+Shift+S」で画面の一部を切り取ってスクリーンショットを撮ることができ、画像の読み取りに対応したAIであれば、そのスクリーンショットを貼り付けるだけで内容を読み取ってくれます。また、昔ながらの形式のエラー画面の中には、画面を選んだ状態で「Ctrl+C」を押すと、表示されている文言をテキストとしてコピーできるものもあります。手で書き写すより、ずっと速く正確です。
エラーでお困りの方は、PC WRAPの「不具合でお困りの方へ」のページもあわせてご覧ください。
AIの答えを鵜呑みにしないための注意点
便利な一方で、気をつけたい点もあります。AIの答えはあくまで「原因の候補」であり、必ずしもその通りとは限りません。特に、システムの設定を深く書き換える操作や、パソコンの初期化のように元に戻しにくい対処は、AIに勧められてもすぐには実行せず、メーカーやMicrosoftの公式情報で確認してから行うようにしています。
また、スクリーンショットを貼る場合は、画面にお名前やメールアドレス、製品のシリアル番号などの個人情報が映り込んでいないかを確認してから渡すことも大切です。
こうした点に気をつければ、エラーの意味調べは「検索結果をはしごする作業」から「AIと相談しながら順番に確認する作業」に変わり、かなり気持ちが楽になりました。……と、ここまではうまくいったのですが、コツの1つ目「そのまま正確に渡す」をまったく知らなかった仲間が、社内に一匹いたようです。
力技でエラーを書き写したPCラッコに起きたこと
エラー画面を前にしたPCラッコ、「AIに聞けばいいんでしょ」とやる気は十分。ところが、選んだ方法はまさかの「手書きで書き写す」でした。
結果は、上の4コマの通りです。英数字が並ぶエラーコードを一字一句メモに書き写し、それを見ながらAIに打ち込んだところ、数字の「0」とアルファベットの「O」を取り違えてしまい、見当違いの答えが返ってきてしまいました。スクリーンショットを貼れば一瞬で済んだ、と知ったときのPCラッコの顔は、なかなか見ものでした。AIを使うときは、AIそのものの使い方だけでなく、パソコンの便利な機能を知っているかどうかでも手間が大きく変わる、という教訓を得た一件でした。
この記事(と4コマ)自体、実はAIを徹底活用して作っています
種明かしをしておくと、この連載記事と4コマ漫画は、企画・ネタ集め・執筆から4コマのキャラクター画像の加工まで、AI活用を検証しながら制作しています。しかもこの企画自体、実際にPC WRAPで販売している中古パソコンの実機を使って進めています。つまり「中古パソコンでどこまでAI活用を突き詰められるか」を、この連載そのものが実証しているわけです。
使用PCのスペック
- CPU:Core i5(第8世代)
- メモリ:8GB
- グラフィック:Intel Graphics(オンボード)
「中古パソコンでもAIって使えるの?」という疑問について
「AIを使うなら高性能な新品パソコンが必要では?」と思う方も多いかもしれません。ですが、ChatGPTやGeminiのような生成AIツールの多くはインターネット上(クラウド)で処理される仕組みのため、パソコン本体の性能への依存は大きくありません。ブラウザが動き、通信環境が安定していれば、中古パソコンでも問題なく使えるケースがほとんどです。詳しくはPC WRAPの初心者向けガイドでも紹介しています。
次回予告
次回も、9つの困りごとのうち別の1つに取り組みます。今回は比較的すんなりAIが役に立ってくれましたが、当店ならではの業務になるほど、一筋縄ではいかない場面も出てきそうです。まだまだ課題は残っています。
エラーが頻繁に出るようになった、動作が重くなってきたなど、今のパソコンに不安を感じている方は、PC WRAPのパソコン診断ツールで、ご自身に合った中古パソコンを探してみるのもおすすめです。
それでは、また次回の「中古パソコンショップが本気でAI活用に取り組んでみた」でお会いしましょう。
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